水に溶けて水溶液が電気を導く分子
本日の話題は、1990年のセンター試験化学で出題された問題です。
1990年といえばセンター試験の第1回目の年です。
第1問 問2
次の化合物①~⑥のうちから、水に溶けて、その水溶液が電気をよく導くものを一つ選べ。
①一酸化炭素
②エタノール
③四塩化炭素
④二酸化ケイ素
⑤二酸化窒素
⑥ブドウ糖(グルコース)
どれかわかりましたか。
答えは⑤の二酸化窒素です。
NO2(二酸化窒素)は水によく溶け、その水溶液は強い酸性を示します。NO2は水と次のように反応して、硝酸が生成するからです。
3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
この反応は硝酸の工業的製法であるオストワルト法の一部の反応です。
オストワルト法といえばすぐに答えがわかったかもしれませんが、本問のように問われた時、すぐに連想できるかどうかですね。
尚、①の一酸化炭素(CO)はほとんど水に溶けません。また、この問題には出てきませんが一酸化窒素(NO)もほとんど水に溶けません。
これらは、気体の発生実験において水上置換法で捕集することができます。
<終わり>